2023-08-16 09:20:00

革包丁の使用感

酷暑の毎日、今年は異常に暑いですね。
若い頃は夏が一番好きでしたが、年齢とともに暑さが身体にこたえるようになった弟子です。
もともと「弟子のつぶやき」として始まったこのブログ、今回は本当に弟子の独り言です。

休日かつ時間が許すときに限りますが、弟子は工房を借りて自分用の刃物を作ったり、愛車の原付をいじったりしています。

原付.JPG

先日、エアクリボックスという部品を入手したので手入れを行っていた際のことです。
付属のゴムチューブを交換しようと苦労して引っ張り取ったところ、隙間埋めの接着剤が固着していました。
これが曲者で、爪でひっかいてもなかなか取れないうえに嫌にベタ付いていて、剝がすのに良い道具はないかと工房内をウロウロしていました。

革包丁応用3.JPG

そこで見つけたのが工房備え付けの古い革包丁。
試しに使ってみると綺麗に除去することができました。
本来ならスクレーパーでやるところなのでしょうが、形が似ているしより鋭利に刃付けしてあるので、まさに「切り剥がす」といった感覚です。
革包丁を使ってみて、道具としての便利さ、切れ味と刃裏の大事さを改めて感じました。

革包丁応用.JPG

宗秋の革包丁の裏は基本ベタ裏(裏スキなし)の真っ平で製作しています。
今回の作業は切り取る面が平面でしたので、ベタ裏がそのままガイドとなり綺麗に切り剥がすことができたのでしょう。

革包丁裏1.JPG

使ってみて初めて「小回りも利くし便利だな」と気付かされた次第です。
このような小さな気付きを大事に、今後の刃物製作に活かしていきたいと思います。