包丁の名入れサービス
今日で8月が終わり、子どもたちも明日から学校です。
カレンダーで8月31日の日付を見ると、夏の終わりを感じる弟子です。
といっても東京はいまだ猛暑日ですが…
今回は包丁の名入れについてのご紹介です。
HPを見ていると、名入れサービスに関する記載がないことに気付きましたもので。
名入れの例です。
「魁」「宗秋」いずれも職人の手彫りにより刻んでいます。
手彫りですので、同じものは一つもありません。
(画像:宗秋骨スキ包丁、ココボロ柄)
ご自身の名前を刻んで、自分だけの特別な一本とするのも良いですね。
過去には「自分でデザインしたナイフの銘を刻みたい」というお客様もいました。
プレゼントや記念品として名前と日付を入れても喜ばれるかと思います。
包丁をご注文の際は名入れも合わせてご検討してみてはいかがでしょうか。
革包丁の使用感
酷暑の毎日、今年は異常に暑いですね。
若い頃は夏が一番好きでしたが、年齢とともに暑さが身体にこたえるようになった弟子です。
もともと「弟子のつぶやき」として始まったこのブログ、今回は本当に弟子の独り言です。
休日かつ時間が許すときに限りますが、弟子は工房を借りて自分用の刃物を作ったり、愛車の原付をいじったりしています。
先日、エアクリボックスという部品を入手したので手入れを行っていた際のことです。
付属のゴムチューブを交換しようと苦労して引っ張り取ったところ、隙間埋めの接着剤が固着していました。
これが曲者で、爪でひっかいてもなかなか取れないうえに嫌にベタ付いていて、剝がすのに良い道具はないかと工房内をウロウロしていました。
そこで見つけたのが工房備え付けの古い革包丁。
試しに使ってみると綺麗に除去することができました。
本来ならスクレーパーでやるところなのでしょうが、形が似ているしより鋭利に刃付けしてあるので、まさに「切り剥がす」といった感覚です。
革包丁を使ってみて、道具としての便利さ、切れ味と刃裏の大事さを改めて感じました。
宗秋の革包丁の裏は基本ベタ裏(裏スキなし)の真っ平で製作しています。
今回の作業は切り取る面が平面でしたので、ベタ裏がそのままガイドとなり綺麗に切り剥がすことができたのでしょう。
使ってみて初めて「小回りも利くし便利だな」と気付かされた次第です。
このような小さな気付きを大事に、今後の刃物製作に活かしていきたいと思います。
葉鉋の角度表記について
八重樫打刃物製作所HPをご訪問いただきありがとうございます。
梅雨入りして天候が不安定ですね。
湿気が多いと鋼の錆びに気を遣いますし、雨嫌いの弟子です。
今回は葉鉋について思ったことを。
当HPの製品情報にも掲載しています葉鉋、主に建具師さんや組子職人さんが組子を作るときに使う特殊な鉋です。
問い合わせを受けた際に気付いたのですが、角度の表記について弟子の頭が「?」となったことがありまして。
結論からいうと、「削る木の角度」と「刃の角度」の二通りの表現方法があるということです。
ちなみに弟子は刃角のことしか頭になかったので混乱したんですね。
拙い図でスミマセンが、下図をご覧ください。
(例)麻の葉鉋:30度(刃角120度)
※実際は鉋台に入った状態で使用します、刃だけで使うわけではありません
図で見れば一目瞭然ですが、「角度30度」という文言だけでは削り方を含め、どこを基準とした角度を指しているのかとしばらく悩みました。
(弟子の解釈は違うよ、という方がいればご指摘お願いします)
上の例ですと、お客様が単に「30度の葉鉋」と言った際、削る木端や木口の角度が30度になるものを求めているのに対し、鍛冶屋は刃の角度が30度のものだと捉える場合がありますね。
葉鉋を扱っている各サイト様を拝見したところ、削る面の角度のみ表記していたり、刃角と並列表記していたり、そもそも呼称と角度が異なっていたりと様々でした。
正式な呼称と角度が何か把握できませんでしたが、これを機に当HPも葉鉋の紹介文を改めた次第です。
(正確に裏付けできればまたご紹介するかもしれません)
言葉や文章で正しく伝えることの難しさを改めて感じました。
特殊刃物に限らず、オーダーは図面を引いて相互確認するのが最善ですね。
宗秋の和包丁3種について
八重樫打刃物製作所HPにお越しいただきありがとうございます。
事務作業が板についてきた弟子です。
HPのデザインを一新して半年が過ぎ、Instagram等の現代的ツール(?)を導入した結果、お客様からのお声がけが増えてありがたい限りです。
刃物のことでご相談したい方は本当にお気軽にどうぞ。
さて、今回の表題にもあります宗秋の「和包丁3種」について。
包丁をお求めのお客様から「菜切・鎌形・花丸の3種はどう違うのか」と立て続けにお尋ねがあったため、改めてご紹介したいと思います。
・菜切包丁
現代の家庭ではあまり見かけない、四角形の包丁。
野菜を切るのに最適で、幅が広く安定感があるのでカボチャなど嵩の高い野菜もお手の物です。
逆に、幅広で先が尖っていない(刺すことができない)ため、魚を捌いたり細かい細工をするのには不向きだと思います。
・鎌形包丁
洋包丁(牛刀)の形状に近い包丁。
肉・魚・野菜問わず使えるので、店によっては三徳包丁と呼ばれることもあります。
菜切ほど幅広ではないが、切っ先は鋭く。
一般家庭で調理する食材にはこれ1本あればほぼ賄えると思います。
・花丸包丁
菜切と鎌形の中間のような形状の包丁。
適する用途としては菜切に近いと思います。
鎌形ほどではないですが、切っ先を使った調理も可能です。
先が鋭利な包丁が苦手、という方がよく手に取られます。
以上、弟子の主観混じりですが大まかな説明です。
包丁のほか、刃物でお悩みの方はご遠慮なくご質問ください。
星の数ほどあるメーカーの中から当製作所をご指名いただくのですから、お客様にはぜひ満足していただきたいと思っています。
読んでいる方の参考になれば幸いです。
宗秋 革包丁
最近、革包丁のお問い合わせが増えてきました。
(当製作所のオンラインショップでも各種銘木柄で販売しています)
この度、お客様から見本がないとのご指摘を受け新たにサンプル画像を掲載しました。
少しでも杢目や色味等の参考になれば幸いです。
→宗秋 革包丁
写真は黒柿をご指定のお客様に製作した革包丁です。
黒柿も良い杢目のものは入手が難しくなってきました。
八重樫打刃物製作所は革包丁の巾や形、柄の種類等、各種オーダーに柔軟に対応できます。
ご興味のある方はどうぞお気軽にご相談ください。