2023-10-03 12:50:00

包丁研ぎの実演

10月に入り、ようやく過ごしやすい気温になりました。
弟子の独り言が多いブログですが、意外と見ていただいている方がいらっしゃることに恐縮しています。
ご訪問いただきました皆様、改めまして御礼申し上げます。

去る10月1日(日)、JA千葉みらい・しょいか~ご習志野店において包丁の研ぎ実演と展示販売を行いました。
今回、同店での出展は初めてだったにもかかわらず、多くのお客様にご来訪いただき大変驚きました。
※告知にご注力いただきましたしょいか~ご習志野店様、誠にありがとうございます。

研ぎ見学(インスタ用).JPG

事務方の弟子は主に受付をしていましたが、午前中は座る暇もないほどの盛況ぶりでした。
家庭での研ぎ方や鋼の包丁の保管の仕方など様々なご質問を頂いたほか、次回の予定をお尋ねになるお客様も多く、「包丁研ぎ」の需要と期待がいかに高いかを身に染みて感じたところです。

商品販売(インスタ用).JPG

モノにもよりますが、包丁は適切に研ぎ直せばほぼ一生使うことができる刃物です。
ご自身のお気に入りを見つけて生活の相棒としていただけると、鍛冶屋は勿論のこと包丁も最上の喜びだと思います。
研ぎ直しは持ち込み・郵送問わず随時承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

※次回の研ぎ実演は10月末に「テクノプラザかつしか」で行います。
皆様お誘いあわせの上、是非お越しください。

2023-08-01 14:20:00

御礼

八重樫打刃物製作所HPをご訪問いただきありがとうございます。

お知らせにも掲載しましたが、CSディスカバリーチャンネル「明日への扉」で当製作所の若手職人の特集を組んでいただきました。
取材にあたりご支援、ご協力いただきました関係先皆様に厚く御礼申し上げます。

研ぎ場.jpg

職人が一本の出刃包丁を仕上げる一連の作業を撮影した番組となっており、YouTubeでも配信されていますのでぜひご覧ください。
(「明日への扉」は日本の伝統文化を継承する若者たちを紹介するドキュメンタリー番組で、日本全国様々な伝統文化や技術を取り上げています。お知らせにリンクを貼っています)

当製作所は東京で昔ながらの打刃物を作る鍛冶屋ということで珍しいのか、取材や動画撮影のお問い合わせをしばしば頂戴します。
仕事の状況等によって、やむを得ずお断りすることも少なからずありますが、当製作所にご関心をお寄せいただきました皆様にも心から感謝申し上げます。

今後とも宗秋/八重樫打刃物製作所をどうぞよろしくお願いいたします。

HP用.jpg

2023-07-14 11:30:00

炭切り

八重樫打刃物製作所HPをご訪問いただきありがとうございます。
すっかり暑くなってしまって、先日は都内でも36℃を超えたそうですね。
火を扱う鍛冶屋は夏場は大変です。
焼き入れ1.jpg
火と言えば焼き入れ。
焼き入れに使う炭が少なくなってきました。
というわけで「炭切り」という作業を行います。
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火床の中で刃物に焼きを入れやすいよう、炭を小さく切り分ける作業が炭切りです。
まずは太い松炭を鋸で適当な厚さに切ります。
その後、包丁で約1.5~2㎝角の大きさに切り分けます。
あとはふるいにかけて炭の粉を落とせば作業終了です。
すみ3.JPG

単純な作業のようで、いざやってみるとなかなか奥が深いです。
同じ炭といえど質は様々で、固いもの・湿ったようなもの・ぼろぼろ崩れるもの・穴だらけetc。
力の入れ方・刃の方向など意識しないと、潰れたり、細かく割れたりして焼き入れ用として使えなくなります。

いかにロスなく切るか…疲れて無心で切ってたりする方が良かったりするのもまた…
「炭切り3年」という言葉がありますが、弟子入りして5年が経過した今でも新たに感じるところがあります。
すみ1.JPG

2023-04-14 13:15:00

SNSアイコンの新設

八重樫打刃物製作所HPへご訪問いただきありがとうございます。
SNSの操作に未だ苦戦中の弟子です。
分かりづらかった当所SNSのアイコンをHP下部に新設したのでお知らせします。

最近導入したInstagramを通じて、刃物に関する問い合わせを受けるようになりました。
特に、国外のお客様とチャット形式で直接やり取りできるのは今までにないことですので、SNSの利便性の高さを今更ながら感じる次第です。

ただ、日々製作した刃物や出来事をInstagramで手軽に紹介できるようになった反面、当HP等の更新が遅くなるのが悩ましいところです。
(弟子の能力不足ですがFacebookの方は手を付けられずにいます)
HPや複数のSNSを分けて運用している方は凄いなぁと単純に尊敬しますね。

なるべく意味のある投稿・更新をしていくよう心掛けてまいります。

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2023-03-20 08:16:00

伝統技術により作られる刃物の意義

こんにちは、弟子です。
今回は少し真面目な話ですが…

先日、ドイツからお客様がお見えになりました。
日本の伝統手法で作られる刃物、いわゆる「手打ち」の刃物に強く興味をお持ちで、当製作所がいまだに横座(火床前)・先手(大ハンマー)の火造りで刃物を鍛えていることを伝えるととてもお喜びでした。

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包丁をお求めでしたので、「ドイツも有名な刃物の産地ではないか」と尋ねたところ「現在は機械化が進んだため、自分が欲しいハンドメイドの包丁はわずかしかない」と仰っていました。
振り返って日本も例外ではなく、伝統技術の衰退を考えさせられるお話しでした。

NTTタウンページのデータベースによると、「刃物製造・卸」の登録件数が2007年は2017件であったのに対し、2021年は1084件とほぼ半減したことが分かります。
ここ最近では、彫刻刀や鑿で有名な「小信」さんが廃業したとの話も聞きました。

日本伝統の打刃物の先行きは見通せませんが、今後も必要とされる技術であるのは間違いありません。
一例として、岐阜県は全国の鍛冶職人の現状等を把握し、技術の存続を図るプロジェクトを推進しています。
「道具」を作る鍛冶屋が消えれば、道具が必要なその他伝統技術も継承ができないからですね。

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ドイツのお客様からも「ぜひ勉強を続けてほしい」と言われました。
弟子は刃物が好きでやっているだけで、技術継承だとか存続だとか重く考えてはいませんが、早く鍛冶屋として独り立ちできるよう努力したいですね。

最後に、お客様とのやり取りのなかで、
「世界にはあらゆる国・人種・宗教・文化の違いがあるが、食べるという行為・習慣はみな同じ、共通です。食に感謝・誇りをもって、食を作る道具にもこだわりたい」
とのお話しを頂き、弟子が勝手に感銘を受けましたのでご紹介します。
…弟子の解釈違いでしたらスミマセン。

刃物製作に携わってまた一つ、目が覚めた思いです。
この度のご訪問とお買い上げ、誠にありがとうございました。

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