宗秋の和包丁3種について
八重樫打刃物製作所HPにお越しいただきありがとうございます。
事務作業が板についてきた弟子です。
HPのデザインを一新して半年が過ぎ、Instagram等の現代的ツール(?)を導入した結果、お客様からのお声がけが増えてありがたい限りです。
刃物のことでご相談したい方は本当にお気軽にどうぞ。
さて、今回の表題にもあります宗秋の「和包丁3種」について。
包丁をお求めのお客様から「菜切・鎌形・花丸の3種はどう違うのか」と立て続けにお尋ねがあったため、改めてご紹介したいと思います。
・菜切包丁
現代の家庭ではあまり見かけない、四角形の包丁。
野菜を切るのに最適で、幅が広く安定感があるのでカボチャなど嵩の高い野菜もお手の物です。
逆に、幅広で先が尖っていない(刺すことができない)ため、魚を捌いたり細かい細工をするのには不向きだと思います。
・鎌形包丁
洋包丁(牛刀)の形状に近い包丁。
肉・魚・野菜問わず使えるので、店によっては三徳包丁と呼ばれることもあります。
菜切ほど幅広ではないが、切っ先は鋭く。
一般家庭で調理する食材にはこれ1本あればほぼ賄えると思います。
・花丸包丁
菜切と鎌形の中間のような形状の包丁。
適する用途としては菜切に近いと思います。
鎌形ほどではないですが、切っ先を使った調理も可能です。
先が鋭利な包丁が苦手、という方がよく手に取られます。
以上、弟子の主観混じりですが大まかな説明です。
包丁のほか、刃物でお悩みの方はご遠慮なくご質問ください。
星の数ほどあるメーカーの中から当製作所をご指名いただくのですから、お客様にはぜひ満足していただきたいと思っています。
読んでいる方の参考になれば幸いです。
SNSアイコンの新設
八重樫打刃物製作所HPへご訪問いただきありがとうございます。
SNSの操作に未だ苦戦中の弟子です。
分かりづらかった当所SNSのアイコンをHP下部に新設したのでお知らせします。
最近導入したInstagramを通じて、刃物に関する問い合わせを受けるようになりました。
特に、国外のお客様とチャット形式で直接やり取りできるのは今までにないことですので、SNSの利便性の高さを今更ながら感じる次第です。
ただ、日々製作した刃物や出来事をInstagramで手軽に紹介できるようになった反面、当HP等の更新が遅くなるのが悩ましいところです。
(弟子の能力不足ですがFacebookの方は手を付けられずにいます)
HPや複数のSNSを分けて運用している方は凄いなぁと単純に尊敬しますね。
なるべく意味のある投稿・更新をしていくよう心掛けてまいります。
伝統技術により作られる刃物の意義
こんにちは、弟子です。
今回は少し真面目な話ですが…
先日、ドイツからお客様がお見えになりました。
日本の伝統手法で作られる刃物、いわゆる「手打ち」の刃物に強く興味をお持ちで、当製作所がいまだに横座(火床前)・先手(大ハンマー)の火造りで刃物を鍛えていることを伝えるととてもお喜びでした。
包丁をお求めでしたので、「ドイツも有名な刃物の産地ではないか」と尋ねたところ「現在は機械化が進んだため、自分が欲しいハンドメイドの包丁はわずかしかない」と仰っていました。
振り返って日本も例外ではなく、伝統技術の衰退を考えさせられるお話しでした。
NTTタウンページのデータベースによると、「刃物製造・卸」の登録件数が2007年は2017件であったのに対し、2021年は1084件とほぼ半減したことが分かります。
ここ最近では、彫刻刀や鑿で有名な「小信」さんが廃業したとの話も聞きました。
日本伝統の打刃物の先行きは見通せませんが、今後も必要とされる技術であるのは間違いありません。
一例として、岐阜県は全国の鍛冶職人の現状等を把握し、技術の存続を図るプロジェクトを推進しています。
「道具」を作る鍛冶屋が消えれば、道具が必要なその他伝統技術も継承ができないからですね。
ドイツのお客様からも「ぜひ勉強を続けてほしい」と言われました。
弟子は刃物が好きでやっているだけで、技術継承だとか存続だとか重く考えてはいませんが、早く鍛冶屋として独り立ちできるよう努力したいですね。
最後に、お客様とのやり取りのなかで、
「世界にはあらゆる国・人種・宗教・文化の違いがあるが、食べるという行為・習慣はみな同じ、共通です。食に感謝・誇りをもって、食を作る道具にもこだわりたい」
とのお話しを頂き、弟子が勝手に感銘を受けましたのでご紹介します。
…弟子の解釈違いでしたらスミマセン。
刃物製作に携わってまた一つ、目が覚めた思いです。
この度のご訪問とお買い上げ、誠にありがとうございました。
インスタグラムを開設しました
第95回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2023
2/15(水)~2/17(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されたギフトショー春2023・LIFE×DESIGN部門に出展しました。
日本最大級の国際見本市の名にふさわしく、会場は多くの出展者・事業者様で溢れていました。
当製作所は東京手仕事プロジェクトの商品「安来鋼包丁」のほか刃物数点を展示させていただきました。
ブースに来ていただいた事業者様から、包丁の需要動向や販売傾向など貴重なお話しを聞くことができました。
また、他社ブースの見学・雑談を通じて、皆様工夫を凝らして製品開発を行っている様子が伝わり、良い刺激をいただきました。
大規模な展示会への出展は認知度向上や販路拡大等が主目的なのでしょうが、小規模かつ職人しかいない当製作所にとっては現場の生きた声や製品開発のヒント等を聞けるだけでも大きな収穫です。
これからもより良い刃物を提供できるよう、努めてまいります。